心臓の奇形

①心室中隔欠損症

05_1

心臓の左右の心室の間にある「心室中隔」に穴があいている病気です。

穴を通して血液の圧が高い左心室から圧の低い右心室に血液が流入してしまうことで本来左心室から全身へ送り出される血液の量が少なくなってしまいます。猫で比較的多いとされています。

これは生まれつき持っている病気で、症状は穴が小さければ、ほぼ無症状で動物の成長に伴って穴がふさがる可能性もあります。

穴がある程度の大きさであれば咳、動きたがらない、発育不良がみられ、病態が進行すると血液循環が悪くなり体への酸素の供給が減少し、チアノーゼ(舌が青紫色になる)、赤血球増加症もみられます。

②動脈管開存症

05_2

動脈管とは母親のお腹の中にいるときは、肺で呼吸をしていないため心臓に戻ってきた血液を肺に送る必要がなく、直接肺動脈から大動脈に血液が流れるための管です。

これが出生後も開いたままの病態を動脈管開存症と言います。管を通して圧の高い大動脈から圧の低い肺動脈に血液が流入してしまうことで肺、心臓(特に右側)に負担がかかってしまいます。

犬、特にコリー、シェルティー、M.ダックス、M.プードル、ポメラニアン、そして雌に多いとされています。

これは生まれつき持っている病気で、ほぼ無症状なものから咳、動きたがらない、発育不良がみられ、病態が進行すると、チアノーゼ(舌が青紫色になる)、赤血球増加症もみられます。

③肺動脈狭窄症

06_1

肺動脈弁付近の血液が流れ出る部分が通常より狭いため血液の流れを妨げてしまう病態のことを肺動脈狭窄症と言います。

肺動脈に血液を送り出すために通常よりも大きな力を必要とするため、右心室の筋肉が肥大します。犬に比較的多く、特に小型犬種に多いとされています。

狭窄が軽度である場合はほぼ無症状で正常な寿命を全うできますが、狭窄が重度である場合は呼吸が苦しそう、おなかが張っている(腹水貯留)、あまり活発さがない等がみられ、心不全で突然命を落とす危険性もあります。

④大動脈狭窄症

06_2

大動脈弁付近の血液が流れ出る部分が通常より狭いため血液の流れを妨げてしまう病態のことを大動脈狭窄症と言います。

大動脈に血液を送り出すために通常よりも大きな力を必要とするため、左心室の筋肉が肥大します。犬に比較的多く、特に大型犬種に多いとされています。

狭窄が軽度である場合はほぼ無症状で正常な寿命を全うできますが、狭窄が重度である場合は呼吸が苦しそう、咳が出る、あまり活発さがない等がみられ、心不全で突然命を落とす危険性もあります。

⑤ファロー四徴症

 

07

・心室中隔欠損症
・肺動脈狭窄症
・右心室肥大
・大動脈右方騎乗

の4つの奇形が併発している病態をファロー四徴症と言います。症状として呼吸が速い、チアノーゼ、赤血球増加症、失神等がみられ、早期に命を落とすことがほとんどです。

関連の記事

  • 心臓の構造と機能心臓の構造と機能 心臓は血液を全身に流すためのポンプの役割をします。 心臓自身が収縮したり拡張したりすることによって全身からの二酸化炭素と結びついた血 […]
  • フィラリア症フィラリア症 フィラリア症は、蚊が媒介するフィラリア(犬糸状虫、犬心臓糸状虫)という寄生虫の成虫が、動物の肺動脈や心臓に寄生して起こる病気です。 […]
  • 拡張型心筋症拡張型心筋症 左右の心室壁が菲薄し心臓が大きく拡張し、血液を十分に拍出できなくなりポンプとしての力が弱くなる病気です。 拡張型心筋症の原因は? 原因 […]
  • 心タンポナーデ心タンポナーデ 心臓は胸腔内(肋骨に囲まれた中)にあり、さらに袋に入っています。 その袋と心臓の間は若干の水が存在しますが、病気になると、この水が大 […]
  • 三尖弁閉鎖不全症三尖弁閉鎖不全症 三尖弁は心臓の右心房と右心室の間に位置する二枚の薄い弁で心臓が収縮した際に、心房と心室を閉鎖し右心房への血流の逆流を防ぐ役割をしています。 […]
  • 僧帽弁閉鎖不全症僧帽弁閉鎖不全症 僧帽弁は心臓の左側、左心房・左心室の間にある弁で、左心房と左心室の血液を一定方向に流れるようにするためのものです。 肺から左心房に戻 […]
公開日:2014/10/24
更新日:
治療は光が丘動物病院グループへ
日本で数少ない「1.5次診療」をおこなっている当グループは、
大学病院に匹敵する獣医療の提供飼い主様に徹底したインフォームド・コンセントしています。
大切な家族でお困りの際には、お気軽に相談ください。

PAGE TOP