糞線虫症

糞線虫の成虫は、約2mm程の細長く白色糸状の形状です。この糞線虫がイヌ、ネコ、サル、ヒトなどの消化管(小腸)に寄生して、下痢など様々な症状を起こします。

糞線虫は腸の中で卵はから孵化するため糞便中には幼虫の形で出てきます。

幼虫は体の外で成長・脱皮を繰り返して子虫にまで成長し、寄生する動物の口や皮膚から感染します。皮膚から侵入すると多くの場合、幼虫は肺に向かい、そこからロ、消化管へと移動して成虫となり産卵を始めます。

糞線虫症の症状は?

成犬では無症状の場合も多くありますが、水様性の下痢を起こすことがあります。一方、子犬に感染すると、激しい下痢によって発育不良や体重の低下が見られることがあります。

特に、生後間もない子犬が感染した場合は急性出血性の腸炎を生じ、命に関わる場合もあります。

皮膚から感染した場合には血管を通り肺に侵入するため、咳などの呼吸器症状が見られることもあります。

糞線虫症の治療は?

治療には、イベルメクチンなどの駆虫薬を投与します。

しかし、1回ではすべての糞線虫を駆虫できない可能性もあるため、何度か糞便検査を定期的に受け、必要があれば駆虫薬の再投与を行います。

糞線虫症は人にも感染します。寄生が疑われているペットの便は手で触らず、使い捨てのゴム手袋等を利用するとよいでしょう。

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糞線虫

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公開日:2014/10/24
更新日:
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