冬に多い?犬の椎間板ヘルニア

天気や季節と病気は関係があると思いますか?と聞かれたら、誰もが自分の体験を思い出して「関係あるのでは?」と思いますよね。

天気と病気の密接な関係

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もちろん、人間の体はとても繊細に作られており、とても複雑な防御機能を持ってはいますが、それでも暑さ寒さの急激な変化に負けてしまうこともあります。

これは何も人間だけではなく、ワンちゃんにも同じくいえることなんです。

動物病院に長く勤めていると、季節の変わり目や極端に扱ったり寒かったりが続いた時期には、体調を崩して来院するワンちゃんやネコちゃんをたくさん見かけます。

少し掘り下げてお話をすると、天気や季節の変化は気温や気圧の変化でもあります。

天気の変化は気温と気圧の変化

この気温や気圧が急激に変わると、体に負担がかかってしまいます。

特に寒くなると血流が悪くなるので、体の隅々まで血が行き届きません。

血は体の中の悪い部分に溜まる物質(炎症産物など)なども洗い流してくれたり、治したり緩和する物質や細胞を送り届ける役割もあるため、血流が悪くなるとそういった機能が低下してしまいます。

もともと腰に少しの痛みを抱えていた場合、血流が悪くなるとその部分に十分な血液が行かなくなります。

こうなると炎症産物などがその部分にとどまり続けて、痛みを強く感じてしまうんです。

寒くなると関節が痛くなることはありますよね?これはこういったことが体の中で起こっているからなんです。

気圧が低くなると体は辛い?

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次に気圧ですが、雨が降ったりする場合気圧は低くなります。

空気の圧が低くなり、体は楽になるんじゃないかと思われがちですが、実は少し違った反応が体の中では起こっているんです。

もともと体には、体の外からの圧力である気圧に対抗するため、体の中からも外側に向けて圧力をかけ、バランスをとっているんです。

なので、急に体の外の圧力が低くなると(気圧が低くなると)、体の中の圧力の方が強くなってしまうため、痛みのある部分や関節に問題のある部分に余計な圧力がかかってしまうんです。

低気圧がくると腰が痛くなったり、椎間板ヘルニアの症状が悪化してしまったりするのは、こういった仕組みが体の中で働いているからなんです。

犬も人も基本的な体の仕組みは同じ

ワンちゃん達は私たち人間よりも体が小さく、こういった気圧や気温の変化にとても敏感に反応すると言われています。

「犬だから寒くても平気だろう」と思われる方も多いと思いますが、中高齢になったワンちゃんには日本の四季の変化はかなり体に負担がかかっていると思ってあげてください。

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これからますます寒くなり、椎間板ヘルニアの症例も増えてきます。

7歳を超えたワンちゃん達には体が冷えないよう工夫してあげてくださいね。

椎間板ヘルニアの手術に関してはこちら

犬の椎間板ヘルニアのまとめはこちら

公開日:2016/12/10
更新日:
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