小型犬がジャンプして骨折!?

小型犬を飼われているご家庭では、ソファやベッドに飛び乗って飼い主様の膝の上でくつろぐ…そんな光景は珍しくないのではないでしょうか?

家の中で起こる事故とは

and-1594161_640小型犬は体重も軽く、活発に運動する犬種は少なくありません。
人の膝くらいの高さであれば、ジャンプして飛び乗ることは当たり前のように出来ますよね。
でも実はこの運動が時によって大惨事になることがあるんです。
先月、当院に来院された骨折の症例は5例ありました。
そのどれもが小型犬で、しかも室内で事故が起こっています。
そして折ってしまった骨も全く同じ骨です。
これらの症例がどの様にして骨折することとなったかというと、原因はすべて一緒です。
みんな膝くらいの高さから飛び降りた後に骨折してしまっています。

ワンちゃんがジャンプするのは当たり前?

jumping-1502564_640日常当たり前のようにしている運動のなかで、なぜ骨折してしまうまでの大惨事が起こってしまうのでしょうか…?
そこには人間側とワンちゃん側の両方で、当たり前だと思っていることが実は当たり前ではないと言うことが繰り返されているのです。
走ることが大好きなワンちゃんですが、実はジャンプや飛び降りるといった上下の運動はそれほど得意な方ではないんです。
と言うのも、ワンちゃんの体はもともと長距離を走ることに適したように作られています。
マラソン選手のように全速力は長続きしませんが、かなり長い間走り続けられる骨格と筋肉を持っているんです。
猫のように関節がしなやかではないワンちゃん達は、特に飛び降りた時に体にかかる反動を吸収出来きません。
これらの力は骨や関節に直接響いてしまうため、関節痛やねんざ、時に骨折の原因となってしまいます。

思うがままに行動するからこそ…

わんちゃんは自分の欲求を抑えることが難しい動物です。走りたいときは走り、飼い主様の膝に乗りたければ乗ろうとします。
しつけやマナーとしてわんちゃんの行動を制限することは可能ですが、室内犬や小型犬ではかわいさも失ってしまう為なかなか難しいのが現状です。
そして何よりも人の膝位の高さ、ベッドやソファの高さは小型犬にとっては十分骨折しうる高さなのです。
よくよく考えてみると、これらの高さはわんちゃんの体の2〜3倍の高さになっているのがわかります。
人は直陸歩行ですが、四つん這いになった時の3倍の高さは身長と同じか1.5倍ほどでしょう。この高さから飛び降りるとなると、人でもかなりの注意が必要です。
このように、わんちゃんと人と両方で認識が弱いため、ちょっとしたことで骨折してしまうことになってしまうんです。

完治までは2~3か月

x-ray-1188175_640「うちの子は大丈夫!」と思ってしまうかもしれませんが、骨折で病院に来られる患者様も皆さんそう思われていた方々です。
いざ骨折を治そうとすると、手術は数時間で終わりますが、ギブスを巻いて骨が完全に再生するまでは2〜3ヶ月かかります。
わんちゃんもとてもいたい思いをしてしまうので、ご自宅での運動を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
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