小型犬の骨折手術は多い?

犬の整形外科手術と聞くと、一番初めには骨折の手術が頭に浮かぶかもしれません。

外科手術=骨折手術とは言えませんが、実際に動物病院で行われている整形外科の中では多い手術といえるでしょう。

骨折の原因は交通事故?

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一昔前までは、骨折=交通事故でした。

ノーリードで散歩をする、庭先で飼っている犬が脱走するなどの状況から、交通事故に巻き込まれやすかったのです。

その為、飼い主が走っても追いつかなかったりする、中型犬や大型の犬の仔が運び込まれることがほとんどでした。

ところが現在はこの状況が変わってきています。

犬を取り巻く環境の変化

ノーリードで散歩をする人はほとんどいなくなり、現在では犬を放して自由に遊ばせられる施設「ドッグラン」が普及しつつあります。

家の庭で犬を飼う家庭はどんどん少なくなり、家の中で犬を飼うことが当たり前のような感覚となってきています。

その為、新しく飼われる犬種は年々小型犬が人気となり、今では人気犬種トップ10に大型犬はいなくなってしまいました。

では、なぜそのような状況でも骨折の手術が減らないのでしょう?

小型犬だからこそ骨折してしまう

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それは小型犬ならではの理由があるからなんです。

犬という動物は、そもそも人が狩などの用途にあわせたり、容姿を楽しむために改良をしてきた動物です。

その為、様々な運動による体への負担を支える骨の形も変形させてきました。

強く健康に生きるために進化するのが動物ですが、用途に合ったり美しくするために変形させてしまったと言っても過言ではありません。

特に小型犬は、その運動量や活動をすべて支えられるほど強い前足の骨の構造を失ってしまっています。

人の膝から飛び降りただけでも骨折してしまうのはそのせいとも言えます。

割りばしよりも、鳥の骨よりも細い前足の骨では、ジャンプした際の自分の体重すら支えきれないのです。

しかも、現在の日本では小型犬種をさらに小さくしようと交配を続けるブリーダーもいます。

犬の小型化が問題視されている

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「ティーカップ・プードル」や「豆柴」といわれる犬種が挙げられますが、本来は畜犬団体から認められていないほどサイズが小さくされてしまっている犬たちです。

見た目がかわいらしく、小さくて日本の住宅事情にもニーズがあっているとは思いますが、より小さくなったがゆえに、室内で骨折などの事故が絶えなくなってしまいました。

先進国の中で犬を取り巻く環境が、このように変化しているのは日本だけのようです。

もし新しく犬を飼おうとしている時は、犬という動物や、その犬種の特徴や歴史についてもしっかりと調べた上で飼われることをおすすめします。

また、日本にはまだまだ保護されてシェルターや保護施設で新しい飼い主を待っている子たちもたくさんいます。

そういった部分にも目を向けていただけると非常にうれしく思います。

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