歯根膿瘍のキーポイント
少し前に歯石除去について書かせていただきましたが、歯石の沈着を長い間放置しておくと歯根膿瘍といったものを引き起こす可能性が高くなります。
あまり耳慣れない言葉ですが、歯槽膿漏がもっとひどくなったものと考えていただくとわかりやすいかもしれません。
歯の根っこに膿がたまる「歯根膿瘍」
歯根膿瘍は歯の根元に膿がたまってしまう病気で、歯茎から膿が出たり、ひどい場合は膿がほっぺたを破って出てきてしまう場合もあります。
もちろん歯石がひどくついている仔ほど発生の可能性が高いのですが、さほどひどくなくても起こる場合もあります。
場合によって異なる抜歯の難易度
根治するには原因となっている歯を抜くことです。ただし歯根膿瘍になりやすい歯は犬歯や臼歯といった、歯根があごの骨にしっかりと埋まっている歯の場合が多く、場合によっては抜歯する時間が長引いてしまうこともあります。
ただ、歯石がかなり付着し歯茎が後退してしまっている仔ほど抜歯はしやすくなります。
臼歯でまだ歯茎も後退せず歯石もあまりついていない仔で発症する場合は、ダイヤモンドカッターで歯を分割しながら抜歯しなければならない場合もあります。
高齢の仔の歯周病
また、これも歯石除去の際に書かせていただいたことですが、高齢になってから発症する場合が多い病気の為、むやみに麻酔下で抜歯処置ができないケースもあります。
その場合は傷口を洗浄し、抗生剤などをしっかり投与しながら再発が起こらないように経過を見させていただきます。もちろん再発してしまう場合もあり、外見が痛々しく見えてしまいます。
いずれにせよ若いころからの口腔内のケアが最大の予防になりますので、ご家庭でもできる限りケアをしてあげてください。
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