犬の椎間板ヘルニア専用のコルセット

今回は椎間板ヘルニア専用のコルセットの使用例をお伝えします。

コルセットは人の椎間板ヘルニアでも使用しますよね。

犬のコルセットとは

corset-1330096_640

最近は犬の椎間板ヘルニアにおいても、人と同じようなコルセットが開発されるようになりました。

犬椎間板ヘルニアの手術は、椎間板物質が太い神経を圧迫するために下半身の神経が不随になってしまう病気です。

その為、外科手術は圧迫部位を特定した後に、その部分の背骨の骨を削り、圧迫している原因物質を取り除きます。

ヘルニアになる箇所は1か所だけ?

通常は1か所の手術である場合が多く、削る骨の幅もさほど大きくなることはありません。

しかしながら、背骨は首の骨(頸椎)が7本、胸の骨(胸椎)が13本、腰の骨(腰椎)が7本といったように、小さな骨が連続しており、その骨と骨の間に椎間板があります。

簡単に行ってしまうと、その椎間板のある個所の分だけ椎間板ヘルニアになる可能性があるとも言えます。

実際には好発部位と言って、胸椎と腰椎のつなぎ目あたりが多いです。

では、椎間板ヘルニアになった場合、MRIで「ここが原因です」と言われる個所は必ず1か所だけなのでしょうか?

無題5

実は、椎間板ヘルニアはそれぞれの椎間(椎骨と椎骨の間、椎間板がある場所)で起こっている事が多く、神経を強く圧迫していなくても、複数の箇所でヘルニアを起こしているという検査結果が出ることはとても多くあります。

手術は骨を削る。その分強度は減る

また、先ほど出てきた「好発部位」では、隣り合う椎間でヘルニアを起こしていることもあり、椎間を2か所連続で手術をするという事もあります。

この場合、必然的に骨を削る範囲が多くなり、体への負担も増えてしまいます。

具体的には、骨を削ることにより骨の強度が下がってしまいます。

手術箇所が増える分だけ削る部分が増える為、その強度もその分下がっていきます。

時々見られるケースでは、1度椎間板ヘルニアを起こし外科手術を行い、その数年後に異なった好発部位でまた椎間板ヘルニアを起こしてしまったというケースもあります。

コルセットは負担の軽減に

DSC_2830

こういった2回目の手術後は背骨の強度にも心配があるため、コルセットで補強しながら術後の経過やリハビリを行っていくケースがあります。

コルセットは胴体全体を強く補強してくれるため、好発部位への刺激を少なくしてくれます。

リハビリ中は少なからず体を動かさなければいけないことと、人とは違って自分で意識してかばおうとはしてくれないので、コルセットの補強はかなり重要です。

通常の手術後でも、神経の反射の回復が完全ではない場合、歩行にふらつきがみられるケースもあります。

本人は歩いたり走ったりする欲求があるため、多少ふらついた状況でも強引に運動を使用とします。

その分余計な刺激が好発部位にかかる場合も多く、活動的な犬にもコルセットをおすすめする場合もあります。

コルセットはその仔の体格に合わせたオーダーメイドになります。

気になる方や是非購入したいという方は、かかりつけの獣医さんに相談してください。

公開日:
治療は光が丘動物病院グループへ
日本で数少ない「1.5次診療」をおこなっている当グループは、
大学病院に匹敵する獣医療の提供飼い主様に徹底したインフォームド・コンセントしています。
大切な家族でお困りの際には、お気軽に相談ください。

PAGE TOP