頸椎ヘルニア手術のキーポイント その2

頸椎ヘルニア手術の続きをお伝えします。気管や食道を避け、首の骨まで露出してからが本番です。

ソノキュアを使用した手術で安全を確保

専用の骨を削る医療用超音波掘削器(ソノキュア)を使用し、責任病変のある部位を掘削していきます。
この機械は刃先の大きさを変えられることができ、胸腰椎の椎間板ヘルニアの手術でも使用することができます。

犬の大きさにもよりますが頸椎ヘルニア手術の場合、できるだけ小さい刃先を選びます。これは責任病変の大きさにかかわらず、首の骨に開けられる穴の大きさが限られてしまうからです。

手術専用でしかも骨を削る専用のドリルとは言っても、削る時間は結構かかります。また骨はもちろん固く、削ると摩擦で熱が生じてしまいます。

この熱が骨にダメージを与えないよう、ソノキュアは刃先に自動で生理食塩水を吹きかけ熱を取り除いてくれます。

骨を削る際に出る熱との闘い

ソノキュアには吸引機能もあるので、吹きかけられた水を自動で吸引してくれますが、助手はより術野を確保するために水の吸引を別の機械で手助けします。

穴の直径は1cmにも満たない場合が多く、小型犬の場合は大きくても5mmほどの穴になります。この5mmのスペースの中でドリルで削ったりや水を垂らしたり、水を吸ったりしています。

骨を削りきる長い時間、この5mmの中で神経を研ぎ澄ましながら作業を進めるのはかなり根気が要ります。とても大がかりな手術ですが、とても繊細で緻密な手術であるとも言えるでしょう。

公開日:2015/02/03
更新日:
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