高齢の犬の椎間板ヘルニアの症例

今回は10歳にて椎間板ヘルニアを発症したワンちゃん(ミニチュアダックスフント)の症例です。

小型犬の10歳は高齢?

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今はワンちゃんの寿命も延び、10歳というとさほど高齢というほどでもなくなってきました。

しかしながら、やはり7,8歳を超えたあたりから病気が発症することは多く、このような椎間板ヘルニアもそうですが、腫瘍など施術が積極的に求められるケースも多くみられます。

今回の症例はやはり10歳という年齢もあり、飼い主様も手術にためらいがあったそうです。

高齢だから麻酔を避ける…

また、当初かかりつけであった動物病院でも、内科治療を主軸として治療を進めていたようです。

経過は突然後ろ足が動かなくなるという、ミニチュアダックスによく見られる椎間板ヘルニアの症状から始まったそうです。

かかりつけの動物病院でまずは高濃度のステロイド治療から始めています。

これは問題となっている箇所の椎間板ヘルニアの炎症を引かせることで、神経への圧迫を引かせる目的として行われる治療です。

その後も追加の治療を継続し、10日間の入院治療を行ったが良化せず、当院に来院されたという流れでした。

まずは精密な検査を。MRIでより状況を詳しく判断する

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当院で一連のお話を聞き、まずはどの程度の圧迫が実際にあり、手術の必要性があるのかどうかを判断する為にもMRI検査を行っています。

MRIの結果はやはり腰椎の椎間板から重度の圧迫がまだ見られている状況で、内科治療では良化が見られていないと判断でき、手術での改善が望ましいと判断されます。

手術以外の方法では現状は変わらない…

この時点の症状は「後肢の不全麻痺」「自力排尿不可能」となっています。

麻酔が高齢の体に及ぼすリスクを理解した上で手術に臨むか、この先寿命を迎えるまでの年月をマヒが残った状態でケアし続けるか…

ここで最初お話しさせて頂いた、10歳という年齢について考えなければなりません。

麻酔のリスクは少なからずあり、0ではありません。しかしながら、高齢だからと言ってリスクが何十倍にも膨れ上がるという訳でもありません。

ましてや10歳という年齢は、寿命から考えると半分を過ぎたあたりとも考えられます。

毎日介護の生活をその子が寿命で亡くなるまで続けなければならないという事も視野に入れ、再度飼い主様ともお話をし、手術へ踏み切ることとなりました。

手術は成功。麻酔も問題なし。

結果、手術は問題なく行われ、麻酔からも順調に覚めてくれています。

 

現在はリハビリと鍼治療に励んでおり、全く動かなかった後ろ足が少しずつ動いてくれるようになってくれました。

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このように、高齢というくくりでもまだまだ十分に手術を乗り越えられるケースはたくさんあります。

症状やその先のこともすべて考え、手術に臨む飼い主様もとても多くいらっしゃいます。

もし年齢という部分で悩まれている方がいらっしゃるのなら、外科手術の経験の多い動物病院に相談に行かれてみてはいかがでしょう。

犬の椎間板ヘルニアのまとめはこちら

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