チワワ・トイプードルの震え 寒い?
言葉をしゃべれない、伝えることができない動物達と私達。動物病院では日々この点が治療に当たって重要なポイントになってきます。
寒くもないのに震えている?
小型犬に限ったことではありませんが、ワンちゃんが震えるという症状を見せることは少なくありません。
実際に小型犬は大型犬などに比べて体も小さく、体の熱を逃がしにくくする脂肪も少ない仔は、日本の冬はかなり寒くて震えてしまうでしょう。
私達人と同じような震えの感覚は単純な外気温の寒さだけではありません。
熱が出ているのに寒気がして震えるという経験は皆さんあると思います。ワンちゃんにも体調が悪いがゆえに震えが出てくることはもちろんあります。
発熱?痛み?
では具体的には何から震える事が多いのでしょうか?
動物病院で「小型犬が震えている」という症状を訴えてきた場合、人の寒気とは違って「痛み」であることが多いでしょう。
どこかが「痛い」ということが言えないがために、なかなか判断に苦しむこともあります。
痛みの中でも特に多いのが腹痛、もしくは首から背中にかけての背骨(神経)の痛みです。
腹痛の場合の見分け方
下痢や吐き気などが重ねて起こっていれば飼い主様ももちろん気づくでしょう。ただし、そういった症状よりも腹痛が先に来ることもあります。
一番わかりやすい調べ方はお腹をゆっくりと揉んでみることです。
通常、ワンちゃんの腹部は軟らかく、ゆっくりマッサージしても痛みなどは伴いません。しかし、腹痛を伴っている場合は触ると痛みによって腹筋に力が入りお腹が固くなるような反応が見られます。
この場合はかなりの痛みを伴っていることも少なくありませんので、早目に動物病院に行きましょう。
首や腰の痛みの場合は?
首や腰の痛みの場合はとても厄介な場合が多いです。
人でも同じことが言えますが、この部位の痛みは太い神経である脊髄になにかしらの障害があることが言えるからです。
代表的なのが「椎間板ヘルニア」でしょう。
Mダックスさんの場合、突然後ろ脚が立たなくなる事で有名ですが、その前段階として「ふるえ」が出ることもあります。
これは背中の神経が強く圧迫され、激しい痛みを感じている時です。
チワワ・トイプードルの頸椎ヘルニア
また、チワワちゃんやトイプードルちゃんでは、首のヘルニアを起こすことがまれにあります。
この場合、よく観察すると首を動かさないようにしてることに気づきます。
首を動かさずに眼の動きだけで周囲をうかがっていたり、ずーっと上目遣いでいたりすることや、首周辺をいじろうとすると痛がる・嫌がる等の挙動も見られます。
ひどい場合は寝ることもできないくらい痛い場合があります。いずれにせよ動物病院に急ぎましょう。
首や腰の痛みのひどい場合は、皆様の想像通り手術も視野に入れなければなりません。
もちろん足や手が動かないといった症状まで出てきてしまえば、手術しか方法はなくなってしまいますが、症状が痛みだけの場合、内科的な治療と安静で症状が良化するケースもあります。
痛みは辛い。とにかく病院へ
ただし、症状が見られてからできるだけ早い段階で治療を始めなければ、良化する期待もどんどん薄れてきてしまいます。
たかが震えと考えず、愛犬をよく観察し怪しいと思ったらすぐにかかりつけの獣医さんに相談しましょう。大事に至る前に治療を始めてあげてください。
大学病院に匹敵する獣医療の提供と飼い主様に徹底したインフォームド・コンセントしています。
大切な家族でお困りの際には、お気軽に相談ください。